旭大和西瓜
目次
品種情報
(情報元)野口種苗研究所
ウリ科スイカ属
収穫期 | 盛夏~9月。着果(受粉)後晴天50日程度で完熟。 |
播種期 | 直播きの場合5~6月。 |
発芽適温 | 25〜30℃ |
生育適温 | 25〜35℃ |
播種法 | 直播きは地温を高めウリバエを防ぐためポリキャップを。 |
覆土 | 1~2cm。嫌光性種子なので、確実に覆土する。 |
種子寿命 | 長命種子の代表である。(5年以上) |
休眠 | ない |
種子保存法 | 乾燥した冷暗所で保存する。 |
さあ、やってみよう!
この地域は能登スイカの中でも特に美味しいと言われる、赤土スイカの産地。
今は生産者も減り耕作放棄地も増えてますが、昔は猫の額ほどの土地も余すことなく皆スイカを作っていたとのこと。
有り難いことに、初年度から地元の生産者に声を掛けて頂きピーク時期のお手伝いをさせて頂きながら、栽培の流れ等を学ばせて頂いてます。
そんなこともあり、自然栽培への挑戦を開始して以来、僕が最も力を入れ、悩み、工夫しながら試行錯誤している作物。それがスイカです。
なかなか見ることのない自然栽培のスイカ。
それもそのはず、家庭菜園ならまだしも、販売する品質と量の栽培はとんでもない難易度。
連作障害や空洞化の問題等、実際に関わってきたからこそ、農薬や肥料を使わずにしかも固定種を自根で栽培することがどれほど無謀な挑戦であるのか、身に染みて良くわかりました。
それでも敢えて、この5年間様々な実験や工夫を重ねてきた経験を全て活かし、この2023年いよいよ本格的に挑戦致します。
「スイカは糖度が命」との常識を覆す、本当に美味しいスイカ!
沢山の人に味わって頂けるよう全力を尽くします。
2023年
目標としては、1株に2玉ずつとして、200株で計400玉を育てる。
そのうち生育不良・病気・獣害、試し割り分等も含めて半分減ったとして、自信をもっての販売200玉。
最初でつまづく
自家採種で4年目となる旭大和の種を300ポットに播種。
最終的に良い株を200株定植するつもりだったので、念の為と余裕をもったつもりでしたが…。
なんと発芽率が半分以下。その後の苗の生育も芳しくなく、まともなものは40株程。な、何ごと?
10日程遅れて追加播種。苗の生育に差がついてしまったので、40株ずつ1週間遅れで3回定植。計120株。
トホホ…と思いましたが、その後の管理で収穫タイミングをずらす勉強になりました。
POINT1 幅広(180㎝)の透明マルチ
毎年色々と実験してみました。
黒マルチ、白黒マルチ、定植場所だけ狭いマルチを使ってみたり。
それぞれに出てきた問題で時には全滅しそうにもなりましたが、なんとか種を継いでこれました。
・「透明マルチ?草生えるでしょ?」
そうです、スイカも草も同時に育てながら、しかも栽培の邪魔にならない方法。
それが透明マルチだったのです。
連作障害を抑えるためには草こそ最大の味方。色んな草の根っこに集まる色んな微生物群のバランスこそが最大のポイント。
・「草に養分を奪われるでしょ?」
一人でご飯食べるか、みんなで一緒にご飯食べるかだけの違い。「これは自分のもの!」と、隠れてこっそり独り占めした食事なんて寂しくないですか?いいじゃん、みんなで一緒に食べれば。
それどころか、実は土の中では「君これ好きだよね!食べる?」「わぁ、ありがとう!じゃ、これあげる!」なんてことが普通に起こってるんです。
そもそも植物は「太陽エネルギーの貯蔵庫」だというのが僕の持論です。
POINT2 直線スタイル
枝を広げずに真っ直ぐ同じ方向に伸ばします。
隣の株と重ならないように左右に振りながら、マルチの上で展開できるよう畝方向に。
株元から本葉が15枚ほど展開した先に着果させていきます。
このやり方だと、その目安となる位置と、どの株の枝なのかがわかりやすいので管理上とても効率的。
一般的には左右に枝を広げているのを良くみかけますが、育ってくると隣の株とも絡み合って、どの株の枝か、どの枝についた実なのかわからなくなります。
ちなみに、垂直仕立て栽培の「道法(どうほう)スタイル」でスイカやかぼちゃを育てる場合はこんな感じになるそうです。もうちょっとちゃんと縛るみたいですけど。
その後、受粉した雌花が成長して玉子くらいの大きさになったものに、色付きの棒をマークで挿します。
「受粉から積算1000℃で収穫」と言われるスイカ。収穫タイミングの見える化作業「札入れ」です。
育ってくるとどれも同じ大きさに見えたり、後から受粉したものの方が大きくなったりして収穫の時に混乱してしまいます。
狙った玉をしっかりと育てるため、変な実、余分な実は摘果していきます。
もったいないと思って着いた実を全部放っておくと、狙った玉にモロに影響がでます。
「この子」と決めたら浮気は厳禁ですね。
POINT3 秘密兵器「The・る」
まあ、別にザルである必要はなかったんですけどね。
で、これがなぜに秘密兵器なのかというと…。
スクスク成長するスイカですが、自分の重さで地面やビニールマルチに密着します。
収穫までの約一ヵ月間そんな状態なので、一般的に一応フルーツマットを敷くには敷きますが、何せ重くなります。雨が降ったらそこに水がたまるし、ジメジメ好きの虫や菌も大集合。
素人目に見ても、地面に接した部分が心配になります。通気も最悪そうだし。
「じゃあ、浮かそう!」
ザルの穴を使って棒も挿せるので「この棒どっちの玉だっけ?」も防げます。
あと、収穫の見落としがなくなります。
時々転がり落ちてますので助けますが…。
実際やって見た感じ、何千個規模になると難しいですが、何百個規模であれば手間より効果のほうが充分に上回ると感じました。
片付けや保管も意外と大変じゃないのですが、量があるとさすがに重いですね。
ボウルじゃなくてザルにしたのは正解でした。
無事収穫
札入れした後は、気象庁が毎日更新してるデータをチェックして平均気温を積算していきます。
しかし不思議なのは、ある程度覚悟していた獣害(カラス・タヌキ・イノシシ)がゼロ!
6年間の挑戦、課題、悩み、工夫の集大成を最高の形で結果を出すことができ、無事に収穫を迎えることができました。
2024年
2023年の倍に拡大して挑戦!
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しっかりと良い種を残し、大切な生命を繋いでいきます。